骨・筋肉(慢性関節リウマチ、腱髄炎)

リウマチ性疾患やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などのアレルギー性疾患に 自己免疫性疾患の専門医が行う脂肪由来幹細胞治療

23.10.01

順天堂大学附属順天堂医院膠原病リウマチ内科 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医 KYBグループ代表取締役医師

医学博士 金子俊之先生

幹細胞治療と聞くと、アンチエイジングや美容のためのものというイメージを持つ方も多いかもしれません。 ここでは、関節リウマチなどの自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の治療を受けている方を対象とした幹細胞治療が可能です。脂肪由来幹細胞の点滴を行うことにより自己免疫の異常による炎症を抑え、ステロイドや免疫抑制薬などの既存治療薬の使用量を減らし、肝機能障害や感染リスクなどの副作用の軽減と、QOLの向上を図ります。

自己免疫性疾患の治療の課題

免疫システムが自分の体の細胞や組織を異物と認識して攻撃し、様々な部位に炎症や維化を起こす自己免疫性疾患。その治療には、炎症と免疫を強力に抑えるステロイドや免疫抑制剤が用いられます。しかし、ステロイドには、糖尿病、骨粗しょう症、白内障などに罹りやすくなる、太る、顔がパンパンになるなどの副作用があります。免疫抑制剤や生物学的製剤も免疫の働きを抑えるために感染症に罹りやすくなるリスクがあります。 「いかにこれらの薬の使用量を抑えて患者さんの負担を軽減しながら治療を継続するか」、が自己免疫性疾患の治療を行う上で大きな課題となります。

自己脂肪由来幹細胞を用いた治療の仕組み

治療の流れ:

①患者さんのお腹から脂肪吸引により脂肪を採取する

②脂肪から幹細胞を取り出し、必要な細胞数まで培養する

③静脈注射(点滴)により幹細胞を患者さんに投与する(脂肪採取から約2か月後から可能)

なぜ脂肪由来?

自己免疫疾患の治療には抗炎症作用や免疫調整作用がある間葉系幹細胞が用いられるため、骨髄や皮下脂肪などから採取することになりますが、骨髄から採取するには太い針を骨髄に刺さねばならず、患者さんの負担が大きくなります。それに比べ、皮下脂肪であればお腹から簡単により多くの量が採取できます。 EAJがご紹介するクリニックでは、脂肪吸引処置の経験が豊富な形成外科専門医が脂肪採取を行うため、より安全に処置を受けることができます。

脂肪由来幹細胞の働き

脂肪由来幹細胞を投与すると、幹細胞から免疫抑制因子や抗炎症因子が分泌されます。免疫抑制因子は自己を攻撃する過剰な免疫系の働きを抑制します。また、抗炎症の特性を持つ成長因子が損傷した組織周辺に作用して組織修復や繊維化の軽減が期待できます。

副作用

免疫抑制薬やステロイドの投与は免疫が低下し感染症にかかりやすくなるというリスクがあります。一方で脂肪由来幹細胞は、免疫系が活性化され過ぎているときには炎症を抑制するが、免疫系が活性化されていないときには炎症を促進するため、感染症やガンの発症リスクが低いというメリットがあります。また、患者さん本人の脂肪由来幹細胞を投与するため、非常に安全性の高い治療です。

自己免疫疾患の専門医が治療を実施

EAJがご紹介するクリニックでは、希望される患者さんには東京の大学病院(順天堂大学附属順天堂医院)で診察を受けていただくことも可能です。アンチエイジングや美容をメインにしたクリニックではなく、病気の専門医が治療を管理いたしますので、安心して治療を受けていただけます。 日本での検査・治療をご希望される外国人患者様はEAJにお問合せください