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がん遺伝子検査「CanTect」 現在の遺伝子の状況からがんリスクを評価
23.10.23
記事監修:医学博士 小石川インターナショナルクリニック院長
川合明彦先生
北海道大学医学部卒業。米ピッツバーグ大学で心臓移植に従事。帰国後東京女子医科大学で心臓移植チームを組成。准教授。東京高輪病院を経て、2017年に小石川インターナショナルクリニックを開院。外国人診療に多くの実績を持つ。
先天的な遺伝子ではなく生活習慣で傷んだ遺伝子を調べる
CanTectは、日本の株式会社ジーンサイエンスが提供するがんの遺伝子検査です。 がんになる原因には、親から受け継いだ遺伝子による先天的な要因と、生活習慣を中心とした後天的な要因がありますが、実は前者は日本のがん患者全体の5~10%程度と考えられており、生活習慣による影響の方が大きいとされます。CantTectは生活習慣の結果を反映した今の体の状態が、がん細胞を成長させやすいか否かを調べる検査です。
遺伝子の何を調べる?
血中のフリーDNA濃度
血中のフリーDNAは、血液中に浮遊しているDNAで、細胞が死んだときに放出されます。がん細胞は健康な細胞と比べて高頻度で死亡や壊死を起こすため、このフリーDNAが健康な人と比べて増えることが知られています。また肝炎など炎症性疾患でもフリーDNAは増加します。
フリーDNAの突然変異
がんの発生のメカニズムとして、がんの発生を促進する発がん遺伝子とがんの発生を抑制するがん抑制遺伝子のバランスが崩れることであると考えられています。以前は、発がん物質や放射線などで発がん遺伝子がより多く表出されることが原因であるとされてきましたが、最近の研究では、むしろがん抑制遺伝子が何らかの原因で壊されて機能しなくなることが発がんの主なメカニズムと考えられるようになってきました。前述の患部組織から血液中に流れ出たフリーDNAに含まれるがん抑制遺伝子に異常が認められるならばがん抑制の機能が弱まったり消失したりしていることが予測でき、通常の状態よりもがんになるリスクが高まっていると判断できます。
がん抑制遺伝子からのメチル化
遺伝子は、メチル化という機序をうけると不活化されます。この検査では、フリーDNA中の14のがん抑制遺伝子がメチル化しているかどうかを調べます。14のがん抑制遺伝子のうち2つ以上の遺伝子にメチル化が見られると、遺伝子の機能低下によって細胞のがん化を抑制しにくくなることがわかっています。
データ解析
これらのデータを独自のアルゴリズムで解析したり、統計データと照らし合わせたりして、発がんリスクや予防管理などのデータやアドバイスを詳細なレポートにまとめて提出します。
リスクが高いという結果が出てしまったら?
レポートをもとに小石川インターナショナルクリニックの医師が結果について説明をいたします。リスクが高い方には食事などの生活習慣を変えてがんリスクを軽減する助言を行います。高いリスクと評価された方には、見える大きさになったがんがすでにある可能性もあるので、画像検査などの精密検査を受けることをお勧めすることもあります。
「CanTect」は小石川インターナショナルクリニックで受けられます。
小石川インターナショナルクリニックでは、採血による「CanTect」検査を受けることができます。検査をご希望の方はEAJにご連絡ください。約3週間後に結果が出ますので、医師から結果について詳しい説明を行います。診察はオンラインでも対応できます。ご要望に応じてがん精密検査の手配を行うことも可能です。